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業界レポート Vol.8「金融・保険業界 新規事業・多角化 実態調査レポート」を公開しました ── 越境の非対称:入る側は提携で入り、出る側は会社を作って出る

2026.10.20

お知らせ

業界レポート Vol.8「金融・保険業界 新規事業・多角化 実態調査レポート」を公開しました ── 越境の非対称:入る側は提携で入り、出る側は会社を作って出る

日本の大企業の新規事業開発を伴走型で支援するアーキタイプは、業界レポートシリーズ第8弾として「金融・保険業界 新規事業・多角化 実態調査レポート — 越境の非対称:入る側は提携で入り、出る側は会社を作って出る」(Industry Report 2026 Vol.8・全62ページ)を公開しました。

銀行・保険・証券・その他金融の有価証券報告書提出者180社の利益地図、2016〜2021年に成立した改正法3本の施行日、金融庁の審議会資料に載る銀行業高度化等会社18社の制度施行から9年の現況、第一地方銀行61行の器の型、米国・EU・シンガポール・韓国の一次法令を突き合わせ、「金融の新規事業はどの器で持ち、どう畳むのか」に公表資料だけで答えています。

他社を採点せず、数字には分母と公表ベースであることを明記しました。なお、当社は金融機関の新規事業創出に参画していますが、本レポートの分析はすべて公表資料に基づき、参画先で得た非公開情報は用いていません。

主な内容

認可を受けて作られた18社、制度施行から9年の現況 ── 事業を終えたのは4社、売却2社、合併による消滅2社

2017年4月施行の改正銀行法で、銀行は金融庁の認可を受けて非金融の子会社「銀行業高度化等会社」を持てるようになりました。

金融庁が2020年10月の審議会資料に載せた18社を、設立時のニュースリリース、親銀行の有価証券報告書、国税庁の法人番号公表サイト、買い手側の適時開示に基づき、個社別で追うと、2026年9月時点で存続10社、解散・清算4社、売却2社、合併による消滅2社でした(公表ベース)。

銀行グループの高度化等会社でなくなった8社(事業を終えた4・売却2・合併2。売却・合併の4社は事業が続いています)のうち、その事実を親銀行自身のニュースリリースで読めるのは4社。残り4社は、グループ会社の公表、合弁相手の公表、買い手の適時開示、登記の閉鎖でしか分かりませんでした。

作るときは「認可取得」を表題に掲げて公表される会社が、銀行グループの器として終わるときは、半分が別の場所に記録されています。

認可を受けて作られた18社の現況 ── 存続10・解散清算4・売却2・合併2。高度化等会社でなくなった8社のうち親銀行のリリースで読めるのは4社(金融庁審議会資料の18社・公表ベース・2026年9月時点)

第一地方銀行54グループのうち35が認可型の器に関与 ── 規模を問わず、6つの類型で

第一地方銀行61行(有価証券報告書の提出者では54グループ)のうち、銀行業高度化等会社に現在・過去・共同出資のいずれかで関与しているのは35(現在27・過去2・共同6・公表ベース)でした。

純利益10億円台の銀行から900億円台の銀行まで、認可の器はどの規模帯にも分布し、器の中身は地域商社・人材・IT・再生可能エネルギー・本体業務・投資専門子会社の6類型に分かれます。

千葉銀行・紀陽銀行・八十二銀行(現・八十二長野銀行)・岩手銀行は認可取得をニュースリリースの表題に掲げ、九州フィナンシャルグループと秋田銀行は非金融事業の目標を中期経営計画の数字で示しています。

2023年以降は、百五銀行と群馬銀行のように既存のIT子会社を認可の区分だけ変える「転換」の型が現れました。観測できるのは目標の有無と器の型で、収益化の有無は開示からは判定できません。

第一地方銀行54グループの純利益の規模帯と器の型 ── 認可の器はどの規模帯にもある

撤退の基準は、どの資料に書くかまで決めて機能する ── 枠・使途・処分を同じ資料群に書く型は保険にあった

当社が確認した一次資料の範囲で、新規事業の判断基準や撤退ルールについて根拠が取れたのは24社です。そのうち、撤退基準・個別撤退項目・撤退時考慮項目を統合レポートで開示していたのは東京センチュリー1社でした(公開版101社のうち77社は、当社の資料収集では確認できませんでした。確認できなかった社に基準が無いという意味ではありません)。

第一生命ホールディングスは中期経営計画で戦略投資枠3,000億円(3年合計)の使途に非保険領域を明記し、非保険領域の利益貢献を2030年に10%規模に置き、タイのOcean Life Insuranceの全株式譲渡も同じ資料群で開示しています。器を作る前に決める項目は、撤退判定の財務数値、判定する会議体、承継先の候補の3つ。どの資料に書くかは一次資料の実例で示しました。

決めたことをどの資料に書くか ── 撤退基準は統合レポート、投資枠と使途は中期経営計画、処分は関係会社の状況と適時開示

越境は双方向に開いたが、不可逆性は非対称 ── 入る側は提携で入り、出る側は会社を作って出る

2016年成立の改正(2017年4月1日施行)で金融側には認可制の子会社という出口が、2017年成立の改正(2018年6月1日施行)で非金融側には登録制の接続(電子決済等代行業)という入口が開き、2021年成立の改正(2021年11月22日施行)は認可の器を地域活性化へ広げました。

入る側は提携を解けば降りられます。出る側は、降りるにも会社の処分が要ります。金融機能を自社サービスに組み込もうとする事業会社に向けては、金融側が公表しているBaaS(銀行機能の提供)や組込型保険の接続口を整理し、接続先の器の畳み方を契約で確かめる項目を置きました。

境界を動かした3本の改正法 ── 2017年4月1日・2018年6月1日・2021年11月22日の施行日と、金融→外/外→金融の向き

利益地図 ── 180提出者の純利益13.9兆円は上位5社が51%。器を作るかどうかは利益の規模では決まっていない

FY2025の有価証券報告書(EDINET XBRL)から機械抽出した親会社株主に帰属する当期純利益を180提出者分並べると、合計13.9兆円、上位5社で51%、上位20社で83%、中央値は108億円でした。

第一地方銀行54グループは銀行業の利益の19%を占め、純利益の幅は100倍あります。認可を受けて作られた18社を見る限り、器を作るかどうかは利益の規模では決まっていません。

利益の集中と第一地方銀行の位置 ── 上位5社が全体の51%、第一地銀54提出者は中位から下位に100倍の幅で散らばる

使い方と提言 ── 器は畳む手間で選ぶ

新規事業を持つ器を「作るときの手間」ではなく「畳むときの手間」で並べた対応表と、決めたことをどの資料に書くかの一次資料の実例を収めました。最終章では、メガバンク・保険・第一地方銀行・ノンバンク・金融に入る事業会社の5つのタイプごとに打ち手を書いています。出る側は器を作る前に畳み方と承継先を決める。入る側は免許を取らず、免許を持つ側に接続して金融機能を取り込む。

レポートについて

  • タイトル: 金融・保険業界 新規事業・多角化 実態調査レポート — 越境の非対称:入る側は提携で入り、出る側は会社を作って出る(Industry Report 2026 Vol.8)

  • 対象: 銀行・保険・証券・その他金融の有価証券報告書提出者180社(親子統合後・FY2025)。第一地方銀行61行(54提出者)は全行を本編で扱い、6軸の公開版は101社

  • 確認時点: 2026年9月(数値・現況)/2026年10月(金融側の接続口)

  • データ出所: 各社有価証券報告書(EDINET XBRL)、中期経営計画・統合報告書・ニュースリリース、金融庁・金融審議会の公表資料、国税庁法人番号公表サイト、買い手側の適時開示、各法域の規制当局・法令データベース(一次確認)

  • 想定読者: 金融機関の経営企画・新規事業・デジタル責任者、第一地方銀行の経営企画・地域振興部門、金融に接続する事業会社の事業開発責任者

  • 本文: 全62ページ(無料・PDF)

  • 個別相談(30分・無料)

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